亡くなった人の車の名義を変更しないとどうなるか
1 亡くなった人の車の名義を変更しない場合のデメリット
亡くなった人の車を誰が取得し、いつまでにその名義を変更しなければいけないという期限の制限はありません。
しかしながら、亡くなった人の車の名義を変更しない場合、以下のようなデメリットが生じるおそれがあります。
① 将来、その車を売却、廃車するのに支障が生じる
② その車を運転して人身事故等を起こした場合、保険が使えない、あるいは制限される
③ 自動車税の滞納による延滞税等の負担が生じる
以下、上記のデメリットについて、詳しく述べます。
2 売却、廃車への支障
売却や廃車を行う場合には、車の名義人が行う必要があります。
亡くなった人自体は、売却のための売買契約の締結や、廃車の手続きはできませんので、売却や廃車をするためには、車の名義人を、亡くなった方から、新しく車の所有者となった人に対して、名義を変更する必要があります。
車は相続財産となりますので、亡くなった方が作成した遺言書で車の所有者が決められていなければ、遺産分割協議によって、相続人の誰が、車の新しい所有者となるのかを決める必要があります。
誰が車の新しい所有者となるのかについての遺産分割協議を先延ばしにしていると、当初の相続人が亡くなるなどして、協議をしなければならない相続人が増え、手続きがより複雑化してしまいます。
3 事故等を起こした場合の保険が使えない等
自動車で人身事故を起こした場合、その損害賠償は通常は、自賠責保険、自賠責保険で賄えない損害を填補する任意保険で対応することになります。
しかしながら、亡くなった人の名義のままの車を運転して、人身事故を起こした場合、車両の使用者と実態が契約と異なる等として、任意保険の適用が制限されるおそれがあり、保険適用が制限されると、自賠責保険でまかなえない損害が生じた場合、その損害を自分が負担するおそれが生じます。
そのため、亡くなった方の車を運転される場合には、車の名義を変更するとともに、任意保険も変更する手続きをとることが肝要です。
4 自動車税の滞納
車の名義を変更していない場合、自動車税の納税通知が、亡くなった人の住所に送付され続け、自動車税の未納の状態が続き、その結果、気づいたときには無駄な延滞税を支払わなければならないこともあり得ます。
車の名義を変更しておけば、自動車税の納税通知は変更された名義人のところに送付されてきますので、自動車税の滞納が防げます。
5 専門家への相談
車の名義変更を放置していると、上記のようなデメリットが生じますので、車の所有者を早めに決め、名義変更をすることが相当です。
もっとも、相続人が複数いらっしゃるような場合には、名義変更手続きには遺産分割協議書が必要となるなど、色々書類を取り付ける必要がありますので、早期に間違いなく名義変更手続きをすすめるために、専門家に協力を求めることが望ましいと思います。
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